結婚指輪の価格設定について
2023.1.31
今回は「低価格の理由について」の回でも触れました、当店の価格設定についてです。
手作りの指輪の値段は、呼称はさておき、基本料金+材料費です。材料費は固定のお店もありますが、当店では完成した指輪の重さを計って、各素材のグラム単価を掛けてお値段を出します。
さて、価格を設定するにあたって、基本料金の設定をどうするかという悩みがあります。低く設定した方が、お客さまには安く感じていただけるので、価格でアピールできます。
答えから言いますと、指輪のサイズが平均値のお客さまを想定すれば、”低く設定する”の一択です。
例えば、
A店)商品代は、基本料金¥20,000+材料費(¥15,000/g)です。
B店)商品代は、基本料金¥35,000+材料費(¥10,000/g)です。
何となくA店の方が安い印象ではありませんか?
結婚指輪の重さを3gとすると、どちらのお店も1本¥65,000でお値段は同じです。ちなみにBは当店の価格です。
材料費が高いと、サイズの大小で価格の差が大きくなってしまいます。サイズが小さいほど、より安くなり、サイズが大きいほど、より高価になります。
材料費が低いと、安くできてお得感のあるお客さまもいない代わりに、なんだか参考価格より高いなと感じるお客さまもいなくなります。言ってみれば価格が平均化されます。
一方、お店側はというと、個々の指輪の値段がいくらであっても売り上げの合計としては同じです。
つまり、お客さまへのアピールを考えれば基本料金は低くした方がよく、価格の平均化を考えれば基本料金は高くした方がよいわけです。
とはいえ、お客さまに来ていただかなくてはそもそも成り立ちませんので、アピールもしたい。そう無理なこともできません。実際に作っていただいた指輪のデータを細かく検証して、やっとバランスを取ったのが現在の価格設定というわけです。